captain-asagaya’s blog

リアルヒーローの1年間の旅の記録

野望

何かに影響を受けて、ここまで余韻に浸ったことがあるだろうか。もう10日も抜け出せずにいる。

主人公の境遇が自分と被っている部分があったからなのか。


影響を受けたものとは、スカーフェイスというギャング映画だ。


境遇が被っていると言ったが、軽く俺の現状をお教えしよう。まず、家がない。もちろん金も無いし女も無い。学もなければ何かの才能もない。無いものづくしだが、本作の主人公は俺以上に何も無い。


アル・パチーノ演じるトニー・モンタナはキューバからアメリカへ移った難民。何一つ失うものがない彼だが、成功したいという大きな野心を胸に秘めていた。


チャンスを見逃さなかった彼は、強烈な野望と気合だけで、あっという間に麻薬業界で成り上がった。


金も女も地位も何もかも手に入れた彼だが、執着心に飲み込まれ、破滅が始まる。

常につきまとう猜疑心が元で仲間は徐々に去っていき、親友や妻ともうまくいかない。彼の心は孤独と寒さの中にあった。


最終的には全てを失うことになる彼。だが、滅びの美学とでも言おうか、その様は美しかった。

一介の流れ者が暗黒街の顔役にまでのし上がり、そして無に帰る。それはまるで、長い冬を乗り越えて堂々と咲き誇った桜が散りゆくようだ。


悲劇を迎えるが、途中アメリカンドリームを掴んだのは事実。家柄も学歴も成功するためには必要ない。必要なのはただ、心持ちだけ。

勇気づけられたし、悪人とはいえこの生き様は正直憧れる。


公開当時、スカーフェイスに影響を受けて本当にドラッグディーラーになる人や、成功を夢見てラッパーになる人が続出したらしいが、頷ける話だ。


強いハングリー精神を持ち続けることは大事だ。現状に満足せず、高みを目指し続けるによって成長できる。どんな境遇のヤツだって、気持ちさえあればなんでも出来るんだってことを、トニー・モンタナは教えてくれたのだ。


彼の一生はまぎれもない芸術だった。